「モロッコ、 彼女たちの朝」素敵な映画に出会いました!

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久しぶりに良い映画に出会いました。コロナ禍であれほど通い詰めていた映画館にもなかなか足が向かない今日この頃。

「Netflix」「Amazonプライム」など、最近では自宅でも気軽にホームシアターを体験できますが、やはり映画館で2時間あまり無になって映像を楽しむ映画鑑賞は、映画ファンにとっては何にも代えがたい時間です。

「モロッコ、彼女たちの朝」

原題「Adam」は、モロッコ・フランス・ベルギーの合作により2019年、アラブの国モロッコで女性監督として初めて、2019年カンヌ国際映画祭で「ある視点部門」に正式に出品されたアカデミー賞のモロッコ代表です。モロッコ製作の長編劇映画として日本で初めて劇場公開されています。

イスラム社会でタブーとされている未婚の母と、夫を亡くしてパン屋を営みながら一人娘を育てている気丈な女性とが心を通わせていく姿が、エキゾチックな土地柄を背景に豊かな色彩と光で描かれています。

臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア。イスラム社会では未婚の母はタブー。美容師の仕事も住まいも失った。ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、小さなパン屋を営むアブラだった。アブラは夫の死後、幼い娘のワルダとの生活を守るために、心を閉ざして働き続けてきた。パン作りが得意でおしゃれ好きなサミアの登場は、孤独だった親子の生活に光をもたらす。商売は波に乗り、町中が祭りの興奮に包まれたある日、サミアに陣痛が始まった。生まれてくる子の幸せを願い、養子に出すと覚悟していた彼女だが・・・。

モロッコは、大西洋と地中海に面した北アフリカの国で、ベルベル文化、アラブ文化、ヨーロッパ文化が融合していることで有名です。

映画の舞台になっているモロッコの首都カサブランカのメディナ(旧市街)は、迷路のように道が入り組んでいて、そこで暮らす人々の日常、男性中心のイスラム圏での女性の立場などを41歳という若い監督が大学卒業後実家で出会った女性をきっかけに製作された作品というだけでも観る前から大いに興味が湧きました。

モロッコの伝統的なパンや焼き菓子、異国情緒に心震えるアラビア音楽、美しいインテリア・・・モロッコのリアルな映像とともに、感動的な映画のひとつひとつのシーンに心が惹きつけられ、深い余韻の残る是非女性の方に観て戴きたい映画です。

東京は、日比谷シャンテのみ上映されていて、全国でもミニシアター扱いのため大都市の数少ない映画館でしか上映されていないのが、非常に残念です。

「モロッコ、彼女たちの朝」全国上映映画館

ミニシアターで出会う良質の映画

毎週1回のペースで映画館に足を運んでいた頃は、メジャーな映画を観る機会が多かったのですが、最近はミニシアターでのみ上映されている映画をなるべく優先して観ることにしています。コロナ禍ということもあり、また年齢的に映画館に通う体力も気力も少しずつ衰えてきたのか、頻繁には足を運ばなくなってきています。

メジャーな映画は、いずれ 「Netflix」や「Amazonプライム」 などで配信されることもあり、また最近はテレビの地上波にも驚くほど早く登場してきます。

大きな映画館では上映されていないけれど、魅力的な作品を探して良質な映画に触れ、楽しい時間を過ごした幸福感を味わいたいと思っています。

「1秒先の彼女」2021年6月公開


台湾アカデミー賞5部門を受賞したラブストーリー。色々つじつまが合わないのは、ファンタジーと思って楽しみました。人よりワンテンポ早い彼女とワンテンポ遅い彼との時差が生み出す何とも風変りな奇跡のラブストーリー。海外映画の良さは、街並み、食生活、住居などその国の特徴が楽しめ、行ったことのある国は懐かしく、行ったことのない国は憧れを持って惹きつけられるところです。主人公シャオチーを演じるリー・ペイユーがチャーミングでユーモアと優しさが溢れた作品でした。

急がなくても大丈夫、愛はゆっくりやってくる。郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い・・・。ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートを約束するも、目覚めるとなぜか翌日に。
バレンタインが消えたしまった・・・!?秘密を握るのは、毎日郵便局にやってきていた、常にワンテンポ遅いバス運転手のグアタイらしい・・・。消えた一日を探すシャオチーがその先に見つけたものとは・・・・。

「街の上で」2021年4月公開


「下北」と呼ばれる下北沢は、変容しながらも昔ながらの東京が残るおしゃれな文化的な街。古着屋やレコード店が並び、演劇・音楽・アートの街としても知られ、個性的なショップも多く集まっています。若者の街で生きる青年を中心に、そんな下北沢の日常が住民達との他愛ない会話から紡がれている映画です。大衆演劇のチビ玉三兄弟で有名な若葉竜也が主役で、良い味を出しています。下北沢は渋谷や新宿からは乗り継ぎなしで行ける街ですし、私も学生時代は良く足を運びました。映画の中の下北は私が昔知っていたゴチャゴチャした街の雰囲気がなくなっているものの、街が整理されながらも若者の文化がそのまま残る懐かしさがこみあげる素敵な街でした。

下北沢の古着屋で働いている荒川青。青は基本的にひとりで行動している。たまにライブを観たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり。口数が多くなく、少なくもなく。ただ生活圏は非常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。そんな青の日常生活に、ふと訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた物語。

「あの子は貴族」2021年2月公開


同じ都会に暮らしながら出自も生きる階層も異なる2人の女性の生き方を描いたヒューマンドラマ。ドラマチックな場面があるわけでなく、静かに流れる水のごとく物語は進み、どこに向かっていくのかわからない状態の中で、居心地の良い、癒される気持ちが深く心に残る映画でした。門脇麦、水原希子、高良健吾、出演している俳優がすべて好きだったということもあり、鑑賞したあとの余韻が心地良かったです。

東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。一方東京で働く美紀は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見出せずにいた。

まとめ

昨年の東京の非常事態宣言では、映画館もすべて休館となり、観たかった映画を逃した方も多かったのではないでしょうか?

今でも外出のついでに気軽に映画館に足が向くほど、現状は改善されていません。それでも席を一つ飛ばしでネット購入ができます。入り口で体温を測り、手を消毒して、席についても映画が始まるまでマスク着用なので食事も出来ず、静かに静かに開演されるのを待っています。

ネットでのチケット購入も、ちょっとでも遅れると自分の希望の席が予約できないほど混んでいて、映画ファンの人達の熱い想いを感じます。

ペアで来ている人がいても開演を待つ間もほとんど会話は聞こえず、こんな静かな映画館での鑑賞は、より深く物語に入り込むことができ、何と居心地の良い空間かと思わずにいられません。

終わった後に、密を避けるようにゆっくりと席を立ち、ソーシャルディスタンスを保ちながら出ていく映画ファンの姿に、本当に好きな人達だけがここに集まっているのかもしれないと、あらためて思います。

今回ご紹介したミニシアター鑑賞の映画を、機会があったら是非ビデオやネットでご覧下されば嬉しいです。

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自己紹介

60代主婦(東京在住)長男・次男・長女は全員30代未婚
趣味 ライティング・食べ歩き・映画鑑賞・コントラクトブリッジ
仕事・育児・家事の両立に追われ、忙しい日々を過ごしてきました。
仕事をリタイアした今、「さぁ、何を始めよう!」と考えたとき、「人生100年」に向けて、以前から興味のあったエイジングケアを本格的に開始する決心をしたところです。
趣味で知り合った50代~80代までの友人の肌の悩みの解決策を探し、若さの秘訣を伝授してもらい、blogを通してたくさんの方にメッセージをお届けできればと思っています。

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