20代・30代の女性の肌悩みトップは、ニキビ・テカリ・毛穴となっているように、まだ肌のツヤやハリに危機感を抱いていない年頃です。
そんな20代・30代の女性が、50代・60代を対象に研究された化粧品でエイジングケアをしても、効果的とはいえませんよね。
50代・60代の女性の肌悩みトップは、たるみ・シワ・しみとなっているように、肌悩みは歳を重ねていけばいくほど深刻になっていきます。素の肌質が全く変わっていくのです。
乾燥肌といっても、20代・30代と50代以上の女性の症状はかなり違います。年齢を重ねれば重ねるほど、ただ保湿重視のスキンケアを選んだだけでは、肌悩みは簡単には解消されません。
若いときは、見た目重視で綺麗な肌に見せたいと思いながら、メイクで十分カバーできる素の肌の美しさがありました。例外なく誰しもが歳を取り、容貌も衰えていく中で、歳を重ねて思うことは、綺麗に歳をとっていきたい、少しでも実年齢より若く見られたい、そんな思いでエイジングケアをしているのではないでしょうか。
「50代の美魔女達が愛用のプラセンタ」という宣伝を良く見かけます。プラセンタってどんな美容成分なのか消費者ははっきり理解しているのでしょうか。昔から漢方の世界では有名だったプラセンタですが、現代では研究が進み、医療だけでなく、美肌作用にまで注目され、エイジングケアとして注目を浴びています。
「高い化粧品だから素晴らしい!」という期待は、今までに何度も裏切られてきました。友人が美肌になって紹介してもらった美容クリームが自分の肌には全く合わなかったり、評判で★5つの化粧品に今一つ納得がいかなかったり、今では体験と知識こそが自分の肌を磨く唯一の方法のような気がしています。
今回は「プラセンタ」について調べてみました。シニア世代に人気のプラセンタ原液もご紹介します。

プラセンタとは?

プラセンタとは「哺乳動物の胎盤」のことで、この胎盤からエタノールを抽出したものが、化粧品などに配合されているプラセンタエキスです。
現在美肌成分として注目されている「プラセンタ」は、2000年も前の中国で不老長寿の妙薬として使われていたそうで、かなりの歴史があります。
昔から漢方の世界では有名だったプラセンタが、研究を重ねた上に肝疾患や更年期障害など医療機関で保険適用となって処方される注射薬になりました。
更に、抗炎症作用、抗ストレス作用、基礎代謝向上作用などのさまざまな薬理作用から現代医療の世界でも幅広く使われるようになったのです。
そのような歴史があって、今注目されているプラセンタの「美肌作用」というものが華々しく登場し、年齢を重ねても若々しく美しい肌を保ち続けたいという女性の普遍の願いとともに、積極的に使われるようになりました。
ではプラセンタがなぜ美肌を保つために有効なのか?
プラセンタには、アミノ酸・ビタミン類・ミネラル・酵素など美肌の素となる栄養素が豊富に含まれているため、保湿や美白(メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐこと)などさまざまな肌悩みにアプローチができるといわれています。
色々な研究から、肌のハリ向上やターンオーバーが期待できる線維芽細胞増成などの作用が認められており、皮膚科の領域でも”エイジングケア”や”シミ対策”季節によって変化しやすい”肌質改善”などにも有望とされています。
普段私達が使っている化粧品というのは、専門家の方の話によると、肌の3大美肌成分であるコラーゲン、セラスチン、ヒアルロン酸のある真皮までは届いていません。肌奥深くと謳われていてもそれは表皮の角質層までが限度で、真皮までは届かないことが証明されています。
説明書に「肌奥深く浸透する美容液」と記載されていても、必ず角質層(表皮)までという注釈がついているのは、真皮まで届くかのような誤解を招かないためです。真皮まで届かないのにあたかも届くような宣伝は、薬機法(旧薬事法)で禁止されているのです。

そのコラーゲンやセラスチン、ヒアルロン酸を作り出しているのが線維芽細胞というもので、弾力と潤いのある若々しい肌を保つにはとても重要な細胞です。
しかし、加齢や紫外線、ストレスや活性酸素などが原因で年齢を重ねるとともに線維芽細胞が働かなくなってしまい、シワやたるみがあらわれてきます。
活性酸素は、体内に細菌やウィルスが侵入してくると酸化作用で殺菌・分解してくれるという生命維持に欠かせない役割もありますが、必要以上に発生してしまうと、肌の細胞がダメージを受け、慢性化して老化につながっていきます。

肌奥深く浸透しない美容液でいくらお手入れしても、根本的なエイジングケアはできないのではないかとずっと思っていました。しかしここにきて美容界にも大きな研究成果がみられるようになり、プラセンタによって、真皮の 線維芽細胞 に働きかけることができる可能性が出てきたのです。
その線維芽細胞を活性化する成分を与えることがエイジングケアに効果的といわれ、様々な分野で研究されるようになりました。サプリメントをはじめ、「再生美容」ともいわれる再生医療による美容治療が行われるようになりました。
「プラセンタ」 は、その線維芽細胞を活性化する成分のひとつといわれています。線維芽細胞そのものを増殖させる因子のFGFが、プラセンタには多く含まれているのです。
だからこそ美肌効果が期待できるといわれています。
プラセンタの3つの要素

年齢を重ねても若々しく美しい肌を保ち続ける上で重要な要素が「血行促進作用」「抗酸化作用」そして「線維芽細胞増殖作用」の3つといわれています。
プラセンタは、この3つの要素をすべて兼ね備えているということです。
- 「血行促進作用」
肌の栄養は血液から送られてきます。血行が悪くなると肌の細胞に栄養や酸素が行き渡らず、細胞が衰える原因となります。
プラセンタは血行を促進することで肌の細胞一つひとつにまで栄養を届け、肌のターンオーバーを促し、美肌の再生を助けます。
さらに、肌の老廃物を押し流すのも重要な役目です。血行が悪くなると肌に老廃物が溜まりやすくなり、シミやくすみ、クマなどの原因になります。プランセンタは血行を促すことで、これらのトラブルを改善します。 - 「抗酸化作用」
近年、老化因子としてよく耳にするようになってきた活性酸素。
紫外線など外的刺激にさらされることの多い顔まわりの肌は、身体の中でも特に活性酸素による老化ダメージを受けやすい部位です。
肌への影響としては、シミの原因となったり、ハリ・弾力を支えるコラーゲンへダメージを与え、シワやたるみの原因になることが知られています。
加齢とともに抗酸化作用の力は徐々に低下していきます。プラセンタは、抗酸化作用により、肌のハリ・弾力を支えるコラーゲンのダメージを抑制し、さらにシミの原因になるメラニンの発生を抑えることで、肌を老化ダメージから守ります。 - 「線維芽細胞増殖作用」
線維芽細胞は、肌の真皮層にあり、肌の弾力やハリを作り出す「コラーゲン」や「エラスチン」、肌の水分を保ち潤いを作り出す「ヒアルロン酸」などの美肌成分を産み出している、とても重要な細胞です。
加齢や活性酸素の影響により、線維芽細胞の自己増殖能力は年齢とともにどんどん低下していきます。しかし、外からの化粧品は、肌の真皮層には届かないといわれていますので、線維芽細胞の増殖が長年美容界の大きな研究の課題になっていました。
プラセンタには線維芽細胞の増殖を促す働きがあり、美肌成分の生成を助け、内側からハリと潤いをサポートします。
プラセンタの種類

動物の胎盤から抽出されるというプラセンタは、肌にとって安全なのかと心配になりますよね。商品として市販されているものは、安全性の基準がクリアされていると考えられますが、その点のチェックも必要になります。
化粧品の成分表示は、配合量順に記載するよう義務付られていますので、プラセンタ入りの美容液と謳っている場合、プラセンタという成分表示が最初の5つ以内に入っているものを選ぶようにしたいですね。
豚由来の豚プラセンタは最もポピュラーな種類のプラセンタです。豚は年に2回出産し、一度に10頭前後の子供を産むといわれています。そのため、他の動物に比べて大量の胎盤を採取することが可能なので、多く流通していますし、価格も安くて購入しやすいといわれています。
しっかり管理された品質を選ぶ基準として「SPF豚」があります。SPF豚は、日本SPF豚協会によって厳格に定められた基準で、抗生物質を与えず飼育されています。厳格に管理された環境下で飼育された豚から採取するプラセンタなので、不純物が混じりにくく、品質が高いことが特徴です。
また「JHFAマーク」(日本健康・栄養食品協会の認定マーク)がついているかどうかも品質の参考になります。協会で規定した品質規格基準を満たしたプラセンタエキス粉末を使用し、徹底した品質管理のもと製造を行い、安全性試験をクリアしたものです。
豚プラセンタの次にポピュラーなのが、馬プラセンタです。馬由来のプラセンタは、他のプラセンタよりも多くのアミノ酸が含まれているといわれています。プラセンタに利用される種類の馬は、そのほとんどがサラブレッドであることから、はっきりとした血統、徹底した品質管理、栄養管理など申し分ない条件のもとで育てられています。
豚と比較して出産数も少ないため、馬プラセンタは非常に高価になる傾向があります。「馬プラセンタ」と謳っていても、価格的にごく微量しか配合されていないこともありますので、成分表示のチェックは必須ですが、成分表示には何%のプランセンタが入っているかははっきり明記されていません。価格が安いのに馬プレセンタ配合となると、
ヨーロッパや北米で人気の高いプラセンタが羊プラセンタです。羊は病気にかかりにくい動物といわれ、安全性は高いものの、狂牛病問題以降、流通量が極端に少ないので、羊由来のプラセンタ商品はあまり目にすることがないというのが現状です。
成長因子の含まれていない植物からの抽出物に「植物性プラセンタ」があります。植物には胎盤は存在しないので、植物の「胎座」という部分を使用したものを植物プラセンタと呼んでいます。
メロンの種の周りにある部分が「胎座」にあたり、胎座は発芽が起きる部分なので、豊富な栄養素が期待でき、動物性プラセンタと同様アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが含まれています。
しかし、植物性プラセンタは、動物由来のプラセンタと成分が異なるため、プラセンタ本来の効果は得られない可能性があります。
プラセンタ美容液の選び方

原液や100%という表示があると良い商品なのではと思いがちですが、プラセンタエキスについては「原液」の表記には明確な決まりはないということです。
原液と謳っていても水を含む溶媒でかなり薄められていることもあるため、購入には注意が必要です。
プラセンタエキスと一緒にどんな保湿成分が配合されているかなどにも注目すると良いみたいです。化粧品は、全成分を記載する規定がありますが、それぞれどのくらい入っているかの記載はありません。プラセンタ原液の場合、90%以上が水でほんの数パーセントしか原液が入っていないこともあるそうです。
〈一緒に入っていると保湿効果が期待できる成分〉
- ヒアルロン酸
- アミノ酸
- エラスチン
- セラミド
- 天然保湿因子(NMF)
また、プラセンタエキスの原液の場合、濃度によって防腐剤が多く配合されているようです。防腐剤無添加の場合は、開封後の期限が短くなるため、その点でも注意が必要です。
〈防腐剤の代表例〉
- フェノキシエタノール
- メチルパラベン
- エチルパラベン
- カプリル酸グリセリル
テクスチャーも商品によってかなり違うようなので、商品詳細や口コミなどで確認の必要があります。
〈どんなテクスチャーがあるか〉
- 化粧水のようにサラサラ
- なめらかなミルク状
- とろみのあるリキッド
- こっくりとしたクリーム状
- 伸びのよいジェル状
テクスチャーは、かなり好みの問題になってきますので、自分の好きなテクスチャーでないと長期間使用するのは難しいかもしれません。
香料もプラセンタは動物由来の成分ですので、独特のにおいがする場合もあるといわれています。豚プラセンタより馬プラセンタの方が気にならない程度のにおいのようです。
また、価格にも差があり、コスパの面でも使い続けやすいものを選びたいですね。
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成分 : 水、BG、プラセンタエキス、フェノキシエタノール(*BGとは保湿剤ですが、防腐効果を高めるので、少ない量の防腐剤で済むという利点もあります)
ホームエステのイオン導入液としておすすめ。とろみのあるテクスチャーでしっとり肌に密着。
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キルギス産馬プラセンタ原液100%美容液
100ml 2,178円
成分 : 水、グリセリン、BG、プラセンタエキス、フェノキシエタノール
シンプルな成分構成ながらも必要なものは揃っているスキンタイプのプラセンタ美容液。繊細な肌質でもトライしやすいのが特徴です。
フラコラプラセンタエキス原液(協和)
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国産SPF豚プラセンタ原液100%美容液
30ml 2,495円
成分 : 水、BG、プラセンタエキス、プロパンジオール、フェノキシエタノール
プラセンタ商品のパイオニアとして名高いフラコラ。サラサラの水のような使用感が特徴です。肌のターンオーバーを促進させ、うるおいのあるキメの整った透明肌へ導いてくれます。
原液100%の中での人気商品をご紹介しましたが、原液ではなくてもプラセンタ入りの美容液やクリームの中には、かなり効果のあるものが販売されているようです。
保湿重視だったり、ハリや弾力の向上だったりとそれぞれアピールがありますので、自分が今持っている肌悩みに合わせて購入されることをおすすめします。
まとめ
今使用しているオールインワンクリームにプラセンタが配合されています。プラセンタが配合されていないクリームと比較して、やはり朝の肌のモチモチ感がかなり違います。
友人達がとても効果があるといっている原液100%のプラセンタエキスも人気ですね。
線維細胞の活性化が、肌の再生に影響があると常々感じていましたので、まさに美容においてのプラセンタの登場は、年齢を重ねれば重ねるほど必要になるものではないかと思います。
美容医療が盛んになっているとはいえ、やはり注射で投入したりするのには抵抗があります。2006年厚生労働省の通達により、プラセンタ注射をしたことがある人は、献血が出来ないことになっています。
輸血血液の安全性を最優先しての行政的対応だと思いますが、やはり身体の中に入るというその安全性が完全に承認されていないという危険を感じてしまいます。
注射やサプリメントに比べれば、しっかり品質管理された美容液ならば、肌の変化によって効果や肌に合っているかなどはっきりわかるので、使用するにあたっての自分自身の安心度は高いかもしれません。
合わない化粧品で肌トラブルに悩んだ経験のある人は、どこか疑心暗鬼になってエイジングケアも思う存分出来ていないのではないでしょうか。
過剰広告に惑わされて、随分必要のないものも購入してきた気がしますが、ある程度年齢を重ねると化粧品選びにもだいぶ外れることが少なくなってきました。今までの苦い体験から学んだことが多い様です。
面倒臭いと思っても、一応購入前に成分を確認することにしています。どの化粧品でも全成分を記載するようにさだめられていますので必ず確認できますし、成分は配合の多い順に記載されていますので、最初の10項目くらいの中に聞いたことがない成分があったらチェックするようにしています。
だからといって成分を確認しただけでは、匂いやテクスチャーや使い心地がわかるはずもなく、自分が求めていた商品に巡り会えたときは、心から嬉しく思ってしまいます。